歩み 2017

<2月9日(木)19:30~>語りと舞による~「夜咄」(よばなし)

Chika with 倭がお点前をし、また、毎年2月の命日に現れる女を舞い・・・
そして、私の語り。

雪降る二月の夜、蠟燭の灯のもとで催される茶事・夜咄に乗せた物語「夜咄」の幽玄の世界を表現しました。
揺れる和ろうそくのなか、亡くした女がのりうつったようなちかさんの舞、
語りながら、男の気持ちになっている私は、
“いつまでもここにいてほしい”
そんな気持ちでいっぱいになりました。

しゅうしゅうという松籟の音が聴こえ、外は風が吹き始め・・・・
炉を切ったお座敷での語りでした。

私たちは無心の気持ちで語り、舞っていたのですが、舞のちかさんの気持ちと私の気持ちは、繋がっていました。

ちかさんの言葉です。

“ワタシ ハ ココニ イルヨ
障子の後ろで自分が亡くなった妻になったかのように思わず
つぶやいた。
物語も終盤の舞の前、曲が流れ本田和さんの語りが聴こえる。
「夜が明ければあなたは帰る。私を残して消えてしまうのだから・・・」
椿が散るかのような舞、それは悲しい舞ではなく
「悲しまないで・・・私はここにいるから、あなたのそばにいるから」と祈るような舞になりました。
実際人形の倭と自分がどういうふうにみえていたのかは
おいといて(笑)・・・そんなハートの夜でした。”

そして、私は、ちかさんの舞を見ているうち、
“いなくなってしまうけれど、ずっとそばにいる・・・”という想いが伝わってきて、
心の中に安らぎが生まれてきたような、心の中に春が来たような・・・気持ちになりました。

舞のうつのみやちかさん、
音響&音楽コーディネートの新谷 美樹夫さん、
照明のHitoshi Takeharaさん
そして、山田のぶさん、
素敵な仲間と創りあげることができて、とても嬉しかった。
Takeさん、のぶさんとは、久しぶりのご一緒。

語りと舞による夜咄(よばなし)」
       語り;本田 和
        舞;Chika with 倭 

       会場;町屋塾古志庵
              (金沢市東山1-34-6 ℡076-252-3176)
      入場料;2500円(お薄、和菓子付き)

     音響&音楽コーディネート;新谷 美樹夫
     照明;Hitoshi Takehara

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<3月11日(土)14:00>本田和の語りによる「宗左近・炎える母」

昭和20年東京大空襲の炎のなか、繋いでいた母の手が離れ、転んでしまった母を置き去りにして走り、そして自分は生き延びた・・・・
宗左近さんは、その罪の意識を持ち続けました。

それから二十年後、母と自分のことを詩に綴っていきます。
それが、「炎える母」です。
宗左近さんに少しでも近づきたい・・・・という想いで語りました。

“宗左近さん”“炎える母”が、聴いて下さった方々の心と身体のなかに静かに沁みて、そこから、何かが生まれてくると嬉しいなと思います。心をこめて、祈るような気持ちで語りました。

  語り;本田 和
  プロデュース;ガレリア画廊
  音響&音楽コーディネート;新谷 美樹夫 
  イラストレーション;芝崎 曜子
 チラシ制作、デザイン;斉藤 慶

会場;STUDIO L.F.I
      金沢市上荒屋1丁目242-1  (076-249-8911)
主催;ガレリア画廊

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<5月7日(日)14:00~>「三人語り」に参加
「100万回生きたねこ」
棟岳寺本堂 にて(金沢市石引)

<5月14日(日)14:00~>小室等&こむろゆい・ラニャップコンサート「明日咲くつぼみに」in 高木屋金物店(金沢市大樋町)に語りで参加。

このコンサートのなかで、永六輔さんの2つの作品に、語りで加わらせていただきました。
永さんが写真のなかで微笑んでいます。

小室等さんとこむろゆいさんの暖かい演奏、歌に包まれて、とっても気持ちよく語ることができました。

司会の坂本善昭さんが紹介をしてくださいました。

高木屋金物店さんは、寛永年間に建てられた建物です。
すみずみまで、歴史の重さを感じます。

リハーサルが終わったら、お客様がいらっしゃる前に、
高木屋金物店さんの一階お茶席で、お茶とお菓子をいただきました。
このコンサートのために、高木屋さんが「𠮷はし」さんに特別に注文された「奏」(かなで)というお菓子でした。
萌黄色に落ち着いた黄色の五線譜を音符があるお菓子です。
長い長いお付き合いの音響のL.F.Iの新谷美樹夫さん、永原諒さんと一緒にお茶をいただきました。

いよいよ本番。
お茶席から二階の床の間のある部屋にお客様がどんどん上がってこられました。

お庭の池の水の音が流れ、
気持のいい風が吹き抜け、
数々の歌に包まれ、
幸せな時間でした。

2日間、小室等さん、こむろゆいさんの演奏を、リハーサルから本番まで、たっぷりと聴くことができて、幸せな二日間でした。



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<6月10日(土)13:30~>「光と影の恵子の一座」に
茨木のり子の詩の語りで参加しました。

金沢市民芸術村・里山の家にて

17年前に亡くなった恵子さんの想いを、その仲間が実らせ、
毎年、恵子さんの命日に近い日に催しています。

演奏、歌、そして語り・・・バラエティに富んだプログラムです。
もう、17年、たったんだな・・・

最後はご自宅で療養していた恵子さん、
その恵子さんの前で語った日々を想いつつ・・・
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<6月15日(木)19:00~>本田和の語り~向田邦子・その命の証し金沢公演(会場;金沢21世紀美術館シアター21)
語りで、向田邦子さんの生きてきた道を辿りました。
向田さんの命の鼓動を感じながら・・・・。

向田邦子さんに近づいたり、
少し離れて向田邦子さんを感じたり、見つめたり・・・
大阪フィルハーモニー交響楽団の林口眞也さんのチェロと一緒に。

プロデュース    森田 正明     
デザイン      斉藤 慶      
金沢公演 音響   新谷 美樹夫   
金沢公演 照明   宮向 隆

会場前では、向田邦子さんの書籍の販売をしました。

<7月16日(日)14:00~>本田和の語り「向田邦子・その命の証し」神戸・六甲公演

エッセイを通して、向田邦子さんの人生を語りとチェロで辿りました。
「ぼく、向田邦子さん、好きなんです!」と終わった後で言いにきてくださった男性もいらっしゃいました。
そういえば、金沢公演のあと、スタッフにひとから聞いたことです。
お客さまのなかに台湾か中国のかたが受付にいらっしゃって
、“日本語はすべてはわからないけど、涙が出た”と涙ぐんでいらしたそうです。
向田邦子さんの作品は中国語に翻訳されているそうで、
台湾、中国でもとても人気があるそうです。

この10か月あまり、ずっと向田邦子さんが私の身体の内に存在していたので、
公演が終わった今でも身体のどこかに存在しているようです。

神戸・六甲は晴天。
会場は、六甲・里夢
暑かったけれど風があり、気持ちのいい日になりました。

チェロは、大阪フィルハーモニー交響楽団の林口 眞也さん。

14年目の神戸ライブ、そのうちの11年は、この六甲の音楽ホール「里夢」で語っています。
すっかり、自分の家に帰って来た気持ちになります。
風の香り、懐かしいです。



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<8月30日(水)19:00~>「本田和・語りのひととき in L.F.I スタジオ

「荒れ野」 (藤沢 周平・作)でした。
大好きな藤沢周平さんの作品です。
道に迷った僧侶の前に忽然と現れた女。
  荒涼な野原の中で僧侶が体験したものとは・・・

何回も語っているこの「荒れ野」
何回語っても、そのたびに新しい気持ちになります。
ひとつひとつの言葉が大切に書かれているので、大切に語りました。
好きだな・・・・この「荒れ野」
これからもずっと語って行きたいと思っています。

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<10月1日(日)18:00~>「語りとギターの織りなす情景 in 長町・海月が雲になる日」
               ~「絵本の春」泉鏡花・作

会場のタイ料理のお店「海月が雲になる日」
                      facebook
は明治末期に建てられた金沢町家。
1階の部屋の前は広い庭が広がっています。

P1001135


階段を上がり、2階の部屋の壁は淡い柔らかな青。
その一つ部屋の床の間に、泉鏡花の物語を描いた木村環さんの作品が飾ってあります。
別の部屋にも、泉鏡花の物語を描いた木村環さんの作品が。

リハーサルが終わって・・・
私の語り椅子が本番を待っています。

クラシックギターの谷内 直樹さんの奏でるクラシックギターの演奏と
泉鏡花を描いた絵画と一緒に語るのはこの上もなく幸せなひとときでした。

また、この空間で語りをするのを楽しみにしています。
ライブが終わったあとは、庭の虫の音を聴きながら、
1階でBarタイムを楽しみました。

<10月14日(土)18:00~19:00>「語りとチェロの織りなす情景」 in 寺井~“夢十夜”
                         ほっこりカフェひろた・ライブ
「吉野弘の詩」
「蜘蛛の糸」
「夢十夜」
 チェロ演奏

ほっこりカフェさんで語るのははじめてでしたが、打ち合わせに行ったり、
コーヒーを飲んだり、いろいろ連絡のやりとりがあったり・・・
当日までにすっかりこの空間に打ちとけることができました。

ちょうど布で作った花や作品、それに草花で染めたストールなどの展示の会期中。
会場は華やかな雰囲気でした。
H子さんからは素敵な花束をいただきました。

チェロは林口 眞也さん。

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語りとチェロの織りなす情景」 in 寺井
       “夢十夜”
        ~ほっこりカフェひろたイベントVOL.5

会場;アート&ミュージックの発信カフェ・ほっこりカフェひろた
        能美市小長野町ト45-1、㈱ひろた美術寺井店2階 

<10月15日(日)14:00~> 「おはなしタンポポ・語りのひととき」に参加
「100万回生きたねこ」

<10月26日(木)19:00~>メロメロポッチ・ライブ弦奏の夜・語りとクラシックギターの夜・第53夜>「深夜特急・インド」~ 沢木耕太郎・作
クラシックギターの調べとともに。

  多くの熱狂的なファンを持ち、バックパッカーのバイブルとまでいわれてきた
  沢木耕太郎の若き日の力作『深夜特急』。
  乗合バスでの一人旅。
  香港、マカオ、マレー半島、シンガポール、インド、ネパール、シルクロード、トルコ、
  ギリシャ、地中海、南ヨーロッパ、そしてロンドン。
  ユーラシア大陸を横断する遙か二万キロの旅。
  今回はインドの旅

「深夜特急」では、インドのほか、ネパールは南ヨーロッパを語りました。
語りながら、作者・沢木耕太郎さんの息遣いが感じられます。
次回は、シルクロードを旅しようか・・・地中海に行こうか・・・な・・

クラシックギター 谷内直樹  さん

メロメロポッチ (金沢市下近江町68BF、くすりのキリン堂横の地下)は不思議な空間です。
らせんの階段を下りて、

扉を開けると

メロメロポッチです。
メロメロポッチは、私にとって語りの原点のような大切な場所です。

「雪女」を語る・・・

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<11月3日(金・祝)14:00~>「語り・くらぶ」の<第2回・語りのひととき

谷川俊太郎、中原中也の詩、長田弘の散文詩、そして古典の数々を7人で紡ぎました。

リハーサル、会場作り、本番、片付け・・・みんなでひとつの世界を創るって楽しい!

会場;L.F.Iスタジオ(金沢市上荒屋1丁目242-1)

<11月5日(日)18:00~19:00><語りでめぐる橋~その五・加賀にて
             ひとまずの旅の終わり・・・・
語りでめぐる橋・その五は、11月5日加賀の茶房実生丸八製茶場)が会場でした。

早々と満席になり、予約を終了したとのことでした。
そのあと申し込みいただいた方々、申し訳ありませんでした。

丸八製茶場が発行した冊子「動橋」に連載されたあねざきしょうこさん作の「川を歩く」は、
石川県の川にかかる12の橋について書かれたエッセイです。
その12の橋を語りでめぐる旅は、ちょうど2年前の11月に
加賀の丸八製茶場さんの茶房・実生さんで始まりました。

そして、ひとまずの旅の終わりは、また、実生さんに戻ってきました。
この日のために、実生さんが用意して下さった特別のメニューは、
お茶・マリコロード
お菓子・ハレルヤタルト、カカオココナッツ、自家製干葡萄ショコラがけ

この日は、ちょうど、我谷盆展が開催中。
この宵、始めに語りで渡った橋は、「我谷吊橋」、そして「香林坊橋」「金川橋梁」最後は、ここ、「動橋大橋」に戻りました。

店長の沖田さんの挨拶のあと、我谷盆の作者・森田さんの紹介。

書き手のあねざき しょうこさんの「川を歩く」のエッセイについてお話

そして、フルートの米口 麻里さんと一緒に4つの橋を語りました。

特に、動橋大橋、我谷吊橋は、加賀の方たちにとって身近な橋。
うんうんと頷きながら聴いて下さいました。

また、語りの旅に出たくなるだろうな・・・

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<11月16日(木)11:00~12:00、14:00~15:00>「金子みすゞ~光と影」 cafe 春

兵庫県芦屋市の阪急・芦屋川駅近くのお洒落なcaféで、
語りで辿る童謡詩人・金子みすゞの生涯
    ~cafe春さんのおいしいシュークリーム&コーヒーまたは紅茶とともに~
という語りのひとときでした。

山口の金子みすゞの記念館を訪れた小学校時代の友人Yさんから、金子みすゞを語ってほしいというリクエストをいただき、
11月16日に、芦屋で実現しました。
これまで何度も語って来た「金子みすゞ」。“光と影”というサブタイトルを付けたけれど、実は“影と光”だったのではないかと、感じました。
金子みすゞに寄り添い、その生涯を辿るのは、かなりしんどい日々でした。でも、みすゞさんのたくさんの詩・童謡を声に出して読むと、みすゞさんの深い深い想いが身体の中に入ってきます。

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<11月18日(土)17:00~>与謝野晶子・みだれ髪をうたふ
             ~なにとなく君に待たるるここちして・・・・

     語り・ソプラノ・花あしらい による

明治・大正・昭和を生きた歌人・与謝野晶子、
最初の歌集「みだれ髪」ができるまでの晶子とおおよそ20首の短歌を語りで表現しました。
そのなかの10首はソプラノとピアノと語りで表現しました。

晶子の短歌や手紙を語っていると、
日本語の美しさが身体のなかに沁み込んできます。
水が流れているように綺麗。
いま晶子の短歌の数々を思い浮かべるとき、
ソプラノ、ピアノ、フルートの演奏が聴こえてきます。

会場は、与謝野晶子と同じ時代に生きたイギリスのデザイナーであり詩人でもあるウイリアム・モリスのステンドグラスが美しいモリスホール。
三菜さんのステージ、ロビーの花あしらいは、与謝野晶子とステンドグラスの世界とコラボレーションしているようでした。
衣装も三菜さん・作。


        語り;本田和
      ソプラノ;藤井ひろみ
       ピアノ;間部 栄司
  花あしらい&衣装;三菜
        音響;L.F.I 新谷 美樹夫

会場; 専門学校金沢リハビリテーションアカデミー
                  モリスホール
              (金沢市清川町2ー6 )


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<11月25日(土)14:00~15:00>語りとギターの時間(とき) in  鶴来図書館
       ~山のものがたり~ 白山開山1300年記念、鶴来図書館「図書館講座」

今年は冬が早くやって来て、時折りお日さまが覗き・・・と思ったら、雪を呼ぶ雷さまがゴロゴロ。
そんな北陸特有の寒い日でした。

        語り;本田 和
  クラシックギター;谷内 直樹

里の物語から入り、山の物語へ。ギターの曲と一緒に、白山に近い鶴来の図書館で山のものがたり。
白山開山1300年ということで、白山にまつわる語りもしました。

「白山のせえくらべ」
「でれすけほうほう」
「雪女」ほか
クラシックギター演奏

会場;白山市鶴来総合文化会館2階研修室 (白山市七原町77番地 鶴来総合文化会館クレイン)
主催;白山市立鶴来図書館

<12月8日(金)19:00~20:00>第11回野町ライブ・語りと音楽の織りなす情景~本山二郎さんの作品とともに in 野町・ガレリアポンテ
       
“花を紡ぐ”
    ~ 本山二郎さんの絵画に囲まれ、ギターとハープの調べに乗せて、 語りで紡ぐ文学の世界

「クレマチス」
「アネモネ」(辻 邦生・作)
クラシックギター、ハープ演奏

 語り;本田 和
 クラシックギター;谷内 直樹
 ハープ;上田 智子

犀川のほとり、金沢・野町での語りのライブは、今回で11回目になりました。・・・ということは、毎年1回のライブなので、11年たったということです。
大蓮寺本堂で始まり、西茶屋街検番、そして3年目以降はこのギャラリー・ガレリア ポンテ が会場です。

今年は冬が早くやって来て、冷たい風と雨の日になりましたが、そんなか、聴きに来てくださった方々、ほんとうにありがとうございました。
夏の終わり、ガレリア・ポンテさんから、本山二郎さんの作品とご一緒できると聞き、
是非、辻邦生の作品を語ろうと思いました。

大好きだった本山二郎さんの作品、それに、前々から、本山さんの作品と辻邦生の文学とは同じ空気が流れていると感じていたからです。同じ空間に世界が漂っている・・・というのか・・。
空間を、本山さんの作品と語りでご一緒したいという夢が叶うことになり、毎日わくわくしていました。

当日、ガレリア・ポンテさんに入る前は、作品の数々に受け入れてもらえるかどうか心配でしたが、
でも、ギャラリーに入ったとき、優しい、ふわったした、あったかいもので迎えてもらったように感じ、ほっとしました。

ガレリア・ポンテさんで、本山二郎さんの作品とご一緒に、語り、演奏・・・その夢のような空間をずっと漂っているようでした。

<12月9日(土)>出版お祝いの会での語り
庄田望さんが25年かけて綴った小説「白蓮華」、その出版記念の集いが12月9日に開かれました。
そのオープニングで、小説の中の20分ほどを語りました。
藤内の医者、蘭方医、盲目の女性、この3人を軸に、物語は進んでいきます。
史実に基づいて創作された作品です。
主人公3人に想いを馳せながら・・・
尺八は盛本芳久さん。

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