6月11日、金沢・伏見台の地域探訪講座で、芥川龍之介・作「芋粥」を朗読した。
何故、「芋粥」かというと・・・
1000年ほど前は、加賀の国の中心は、野々市だった。そこを治めていたのは、富樫氏。
それから約500年、富樫の時代は続く。
けれども、一向一揆のため、第24代富樫政親で富樫の時代は終わり、
いわゆる“百姓のもちたる国”が、それから約100年続く。
その富樫氏の先祖が、芥川龍之介の「芋粥」に登場してくる。
主人公の「某という五位」に芋粥を食べさせる敦賀の藤原利仁という人。
富樫氏が滅びたのは、金沢南部の伏見台にあった高尾城(地元では、たこじょう、と呼ぶ)。
高尾城は、野々市に屋敷があった富樫氏が造った山城だった。
伏見台~高尾城~富樫氏~藤原利仁~芋粥
・・・S氏が辿ってくれたこんなつながりで、富樫一族ゆかりの地、伏見台で「芋粥」を朗読することになった。
S氏が描いてくださった絵とともに。
一昨年、敦賀に住む知人に、山で掘ったと、山芋をどっさりいただいたことを思い出した。
そうか! 敦賀はおいしい山芋がどっさり取れるんだ!
芥川の「芋粥」を読みながら、あのときの山芋のおいしかったことが蘇ってきた。
ねっとり、もっちり・・・
それから、冨樫氏が滅びた高尾城、
この城があったところに、火の玉が現れるのだそうだ。
“高尾の坊主火”と呼ばれているとのこと。
それが、野々市の富樫氏の屋敷に向かって、飛んでいくのだそうだ。
富樫政親の亡霊とか・・・
見たいような・・・怖いような・・・
やっぱり、怖い。