大乗寺

8月の暑い日、金沢・長坂にある曹洞宗大乗寺 を訪ねた。

小高い丘にあるこのお寺の境内には、外とは全く違う空気が流れている。
異空間に入ってしまったようだ。

ひんやりとした緑のなかで、
聴こえてくる蝉の声が、
“静寂”を気付かせてくれる。

気持まで引き締まってくる。
ちっぽけなことで、くよくよしていたのだけど、
“そんなことは些細なこと”と、
大きくふんわりした声が聴こえてくるようだった。

中学時代を思い出した。
一週間に一回、Y校長先生の道徳の授業があった。
その授業のはじめは、いつも坐禅だった。
教室の椅子に座って、坐禅をする。
校長先生が禅宗の方だったかららしい。

“耳は肩に相対し、鼻は臍に相対し・・・
心ここにあらざれば、
見えても見えず、
聴いても聴こえず、
食うてもその味を知らず”(だったと思う)
坐禅、はじめ!”

(いまでも、この言葉、身体から出てくる)

この校長先生の言葉で、3分間だったか5分間だったかの坐禅をした。

中学生にとって、3分なり5分なりの坐禅は、かなりハードな時間だった。
とくに初めの頃は。

それに、笑いたくてたまらない年頃、
誰かがクスッと笑ったら、もうおしまい、
我慢できなくなった笑いが教室中に渦をまく。

そんな中学生を、決して怒らず、あったかい目で見てくださり、包んでくださった校長先生。

いま、思い返すと、この坐禅の心地よい感覚が、身体に蘇ってくる。
そして、心も身体もとっても気持よくなる。

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