語りをしていると、科学的には説明できないような不思議なことが、たびたび起こる。
ある年の11月中旬。能登の宝達山の麓。北国独特の変わりやすい空模様の季節ではあった・・が、その日は太陽がまぶしいくらいだった。「雪女」を語る。
ところが・・・語り始めてしばらくたったとき、突然暗くなり、ごろごろごろっ!! 雷様!! ザーッ、霙・・・・語り終わったら、ピタッととまった。
やはり「雪女」 本番は12月中旬。例年、その頃、雪はまだ早い・・・はずなのに・・・なんと、その年は12月はじめから毎日毎日、雪が降り続いた。その日も朝からひどい吹雪。車で行くのはあきらめ、JRを乗り継いで。ダイヤは乱れに乱れる。
語っている間中、雪雷さまが暴れまわっていた。
“雪女を語るからですよ”と主催者に言われた。
「耳なし芳一」も同じ。語り始めたとたん、稲光! 凄まじい雷。
終わるとぴたっと止まる。
ある年の夏の終わり。富山の海の近く氷見。会場はお寺の本堂。かんかん照りだけど、むしむしとして空気の中から湿気がわいてくるみたい。チェロのギアさんとピアノの篠原さんと一緒だった。楽器が湿って大変そう。
本番が始まってしばらくして、ゴロゴロ、ピカッ! ザーっと凄まじい雨。そのうち、ぴたっと止まる。
お寺の住職さんや檀家さんたちは、少しも動じず、“来ましたね” “やっぱり来ましたね” と話している。
ん・・・どういう意味?!
聞いてみると、そのお寺を守っているのは、龍なんだそうだ。お寺でなにかイベントをするとき、その龍は、様子を見に、川の中から出てくるとのこと。
そのほか、いろいろ不思議なことが起こった。
そして、“不思議な出来事”に助けてもらったなあ。