1ヶ月くらい前から糠漬けをしている。
友人から、丹精込めてつくった糠床をもらった。
嬉しくなって、きゅうり、茄子、キャベツ、人参・・・・など野菜を漬けている。
だんだん味がまろやかになってきた。
毎日、糠を混ぜている。
糠を混ぜたあとは、長い時間、手のあたりから懐かしい香りが漂う。
子どもの頃の香り・・・・
母の身体から漂ってきた香り・・・・
夏には毎日食卓に上った。
糠漬けが特に好きだったわけではないけど、この匂いは母の匂い。
毎日毎日、糠をかき混ぜていた母の身体には、糠の匂いがしみ付いていたんだろう。
糠の香りに、昨年の2月、急に亡くなった母のことを想う。
モダンな服がよく似合った母だけど、
私には白い割烹着で糠みそをかき混ぜている母が生き生きと浮かんでくる。